■調子を落としたジョコビッチ

 マレーがここ数週間で絶好調を維持する一方で、前回王者のジョコビッチは調子を落としている。

 念願の全仏初優勝を飾り、生涯グランドスラムを達成したジョコビッチには、その後のウィンブルドンと全米で連勝し、ロッド・レーバー(Rod Laver)氏が1969年に成し遂げて以来となる年間グランドスラムの偉業が期待されていた。

 しかし、グランドスラム通算12勝を誇るジョコビッチは、ウィンブルドンで四大大会の舞台では7年ぶりとなる3回戦敗退に終わると、ロジャーズ・カップ(Rogers Cup 2016)ではマスターズ通算30勝目を挙げたものの、リオ五輪ではファン・マルティン・デルポトロ(Juan Martin Del Potro、アルゼンチン)に敗れ初戦敗退、ウェスタン&サザンオープンは、手首のけがを理由に棄権していた。

 しかしながら、2016年のジョコビッチは、マレーのツアー4勝、シングルスの戦績50勝7敗に対し、ツアー7勝、51勝5敗の成績を残しており、現在もなお圧倒的な強さを誇っている。

 ジョコビッチとマレー以外の選手では、全米で通算5度の優勝を誇るフェデラーが、2000年大会以降では初めて欠場する。現在35歳のフェデラーは、ウィンブルドンでフルセットの末にラオニッチに敗れると、膝のけがを悪化させ、今季残りの試合を欠場すると表明した。

 2010年大会と2013年大会で優勝したラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は、リオ五輪の男子ダブルスで金メダルに輝いたが、シングルスでは錦織圭(Kei Nishikori)に敗れ、メダルを獲得できなかった。

 今大会のそのほかの有力選手には、世界ランク3位のスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)、同6位のミロス・ラオニッチ(Milos Raonic、カナダ)、2014年大会準優勝で同7位の錦織が挙げられる。さらには、リオ五輪で銀メダルを獲得した2009年大会王者のデルポトロ、2014年大会の覇者マリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)の上位進出も期待される。(c)AFP/ Dave JAMES