【8月25日 AFP】米国サッカー連盟(USSF)は24日、女子代表GKのホープ・ソロ(Hope Solo)に対し、半年間の謹慎処分を科すと発表した。35歳のソロは、リオデジャネイロ五輪で準々決勝敗退に終わったあと、対戦相手のスウェーデンを「臆病者」と呼んで批判を浴びていた。

 五輪に女子サッカーが採用されて以来、金メダル4個、銀メダル1個を獲得し、メダルの常連だった米国だが、スウェーデンとの準々決勝では五輪で15試合ぶり、通算でもわずか3度目となる敗戦を喫し、大会4連覇の夢を断たれた。

 スウェーデンがあまりにも守備的だったと感じたソロは試合後、「今日の相手は腰抜けの集まりだった。より優れていたチームが勝てなかったという思いが強い。相手がこの先も勝ち進めるとは思えない」とコメントした。

 この発言について、USSFのスニル・グラティ(Sunil Gulati)会長は声明を発表し、「リオ五輪のスウェーデン戦終了後にホープ・ソロが残した発言は受け入れがたく、われわれが代表選手に求める行動規範にそぐわないものである」と述べた。

「試合会場や結果以外のところでも、五輪は最高のフェアプレーと敬愛の精神をたたえ、象徴するものでなくてはならない。われわれは、すべての代表選手にこの原則を尊重するよう求めており、例外は認めない」

 今回の処分の結果、ソロは2017年2月まで代表入りの資格を失う。35歳のソロがUSSFから謹慎処分を科されるのは今回が初めてではなく、2015年には代表合宿中に問題を起こし、30日間の謹慎を言い渡されている。グラティ会長は「ホープが当事者となった過去の事件、また私的な会話を通じて、代表メンバーにふさわしい振る舞いを促してきたことを踏まえ、今回の処分が適切だと判断した」と語った。

 一方、当のソロ本人に「腰抜け」発言を撤回する意思はなく、スポーツ・イラストレイテッド(Sports Illustrated)誌に対して、謹慎に対する不満をあらわにしている。

「契約を打ち切るという連盟の判断に驚いている。だけど、私という一人の人間であることをやめて、サッカー選手でいることはできない。たとえ自分のしたことが、最善の選択や正しい発言ではなかったとしてもね」

 ソロは自身の気持ちのこもったプレーと発言は、若い選手たちに手本を示したいという思いから出たものだとしている。

「私は、私が唯一知っているプロフェッショナルとしての仕事をしたまで。それは情熱、粘り強さ、そしてたゆまぬ探求心をもって世界一のゴールキーパーを目指し、次世代の女子選手のためにこのスポーツのレベルを上げること」

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