【8月25日 AFP】ファストフード大手、ケンタッキーフライドチキン(KFC)の極秘だったレシピはもはや秘密ではない?世界中に展開するKFCの看板商品フライドチキンの衣に使われるハーブとスパイスのレシピは極秘とされているが、米紙シカゴ・トリビューン(Chicago Tribune)が、偶然の成り行きでそのレシピを発見したかもしれないと報じた。味の決め手は白コショウだという。

 シカゴ・トリビューンによると、同紙の記者がKFCの創業者ハーランド・サンダース(Harland Sanders)氏が75年以上も前に初めてフライドチキンを提供したケンタッキー(Kentucky)州の小さな湖畔の町コービン(Corbin)を取材のために訪れたところ、現在もその町で暮らすサンダース氏のおい、ジョー・レディントン(Joe Ledington)氏(67)と出会った。レディントン氏はぱらぱらとページをめくりながら家族のアルバムを見せてくれたが、その中に手書きのフライドチキンレシピがあった。レディントン氏は「これが極秘とされている11種類のハーブとスパイスですよ」と話したが、その後の電話取材ではレシピの信ぴょう性に自信が持てないようだったという。

 シカゴ・トリビューンによると、そのレシピに基づいたフライドチキンを会社のキッチンで試作し、KFCのオリジナルチキンと比較して試食したところ、KFCで買ったものとほとんど区別がつかなかったという。

 この報道に世界各国に1万8000店超の店舗を展開するKFCは黙っていなかった。今もレシピの秘密は守られていると反論し、「長年、大勢の人たちが同様の主張をしてきましたが的中した人はいません。今回もそうです」とのコメントを発表した。

 KFC本社があるケンタッキー州ルイビル(Louisville)の地元紙クーリエ・ジャーナル(Courier-Journal)も、シカゴ・トリビューンの報道に懐疑的だ。クーリエ・ジャーナルの記者は「パプリカが多すぎる」と述べ「この件では私はKFCの味方だ」と宣言した。

 KFCは、金庫でレシピを保管し移送には装甲車を使用しているなどと、レシピの秘密性を大々的に宣伝している。(c)AFP