【8月25日 AFP】サッカー界を追われるきっかけとなったスキャンダルから1年余り。――国際サッカー連盟(FIFA)元会長のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)氏が25日、最後の抵抗の場となるスポーツ仲裁裁判所(CAS)の審理に臨む。FIFAから6年間の活動禁止を言い渡されているブラッター氏は、処分を撤回させる自信は「十分にある」としているが、客観的に見れば、完全勝利の可能性は低い。

 2015年9月、現在も尾を引いている悪名高いスキャンダルが発覚した。スイスの検察当局の捜査によって、ブラッター会長がサッカー元フランス代表のミシェル・プラティニ(Michel Platini)氏に200万スイスフランを不正に支払った疑惑が明らかになった。

 FIFAの倫理委員会は、ブラッター氏とプラティニ氏の活動資格を暫定的に停止した。FIFAの本格的な内部調査と倫理委員会による審議の結果、同年12月にブラッター氏、そして一時はブラッター氏の後継者と目されていたプラティニ氏には、倫理規定違反で8年の活動禁止処分が下された。

 その後、FIFAは両者の異議申し立てを受けて、処分期間を6年に短縮。その直後には、ブラッター氏に代わる新会長として、ジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)氏が選出された。

 プラティニ氏のCASに対する異議申し立てがすでに失敗していることを考えれば、ブラッター氏だけが救済されるとは考えにくい。CASは今年5月、処分は「厳しすぎる」として期間を6年から4年に短縮したものの、200万スイスフランの支払いが合法だったとは「考えられない」と判断し、プラティニ氏の提訴を退けている。