【8月23日 AFP】フランスの二コラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)前大統領(61)が22日、来年行われる大統領選挙に立候補する意向を表明した。自身が率いてきた中道右派の野党・共和党からの指名獲得を目指す。

 好戦的な保守派として知られるサルコジ氏は大統領を5年務めた後、支持率低下にあえぎ1期でその座を退いた。しかし同日、大統領職への返り咲きに向けた野心をあらわにした。

 サルコジ氏は今週、新著「Tout pour la France(仮訳:全てはフランスのために)」の刊行を予定。AFPが事前に入手した抜粋には、「2017年大統領選挙の候補になる決心をした」と書かれている。

 サルコジ氏側近がAFPに明かしたところによると、同氏は22日にも共和党の党首を辞任し、選挙戦に集中するとしている。党予備選は11月20日と27日に行われることになっており、今週25日に南部アビニョン(Avignon)に近いシャトールナール(Chateaurenard)で立候補の第一声を上げる見通しだ。

■候補者13人乱立

 サルコジ氏は2012年に再選を目指したが敗北。過度の右傾化が目立ったその選挙戦略は、自らの陣営内部からも批判を浴びた。当時は落選すれば引退すると表明していたが、2014年に再び政界の最前線へ復帰を果たした。

 サルコジ氏の出馬表明により、次期大統領選への立候補者は13人となった。最大のライバルは首相経験者のアラン・ジュペ(Alain Juppe)氏。穏健派とみられており、共和党の指名獲得が有力視されている。

 しかし先月14日に南部ニース(Nice)で発生したトラック突入事件を受け、サルコジ氏がここ数週間イスラム過激派と移民に対する締め付けの強化を訴えるにつれて、世論調査ではジュペ氏の支持率が低下してきている。

 サルコジ氏が共和党の指名を受ければ、続投を目指す「願望」をほのめかしている左派・社会党のフランソワ・オランド(Francois Hollande)現大統領との2度目の一騎打ちとなる。ただ、オランド氏はサルコジ氏を抜いて戦後のフランスで最も不人気の大統領という汚名を着せられており、世論調査では両氏のいずれも大統領にしたくないという声が支配的だ。(c)AFP/Nadège PULJAK and Clare BYRNE