【8月22日 AFP】現在世界中で拡散されているシリア人少年、オムラン(Omran)君(4)の映像に対し、中国国営放送が、欧米諸国の「プロパガンダ戦争」の一環として捏造(ねつぞう)されたものではないかと疑念を呈している。

 先週シリアの都市アレッポ(Aleppo)に対して実施された空爆の後、血とほこりにまみれてぼうぜんとしているオムラン君を捉えた映像について、米国務省はシリア内戦の「本当の顔」だと表現していた。

 中国政府はシリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領政権を支持しており、ロシアとも親密な関係にある。シリア政府、ロシアの両軍は、シリア反体制派が掌握するアレッポで空爆を実施してきた。

 国営中国中央テレビ(CCTV)は20日の放送で、オムラン君の痛ましい映像に「捏造された疑いのある動画」と字幕を付けて取り上げた。

 さらにナレーションで「批評家らからは、(この映像は)シリアに介入するようになった欧米諸国が『人道主義的な』口実を作り出すためのプロパガンダ戦争の一部だと指摘する声も上がっている」「撮影者は直ちに少年を救い出す努力をする代わりに、急いでカメラを設置したようだ」などと述べた。

 中国メディアによるこうした批判は目新しいものではない。国営新華社(Xinhua)通信は、チベット亡命政府が発表する映像は捏造されたものだと非難している。(c)AFP