【8月21日 AFP】北朝鮮が中国で運営するレストランから今年4月に従業員ら13人が韓国へ集団亡命した事件で、北朝鮮政府は21日、13人の送還を韓国政府に要求した。

 韓国の統一省は脱北した女性従業員12人と男性店長について前週、情報機関による事情聴取が終了したため釈放したと発表しているが、この発表後に北朝鮮が反応したのは初めて。北朝鮮側は、13人は亡命したのではなく韓国の情報機関「国家情報院(NIS)」に拉致されたと主張している。

 北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)によると、北朝鮮が「拉致被害者救出」のために創設したという緊急委員会の報道官は韓国統一省の発表を「集団拉致の隠ぺい」をはかった「卑劣な策略」と糾弾。「『安全上の理由』を口実に彼らを公の目から隠し続けている。これは、かいらい政権の発表が完全なでっち上げであることの現れだ」「わが国の女性たちを救出し取り戻すまで闘い続ける」などと非難した。

 北朝鮮は国営メディアを通じて、女性従業員らの親族が感情的に女性たちの帰還を訴える映像を流すなど13人の送還を要求する大々的なキャンペーンを展開している。

 直近の脱北としては今月17日、北朝鮮のテ・ヨンホ(Thae Yong Ho)駐英公使が家族と共に韓国に亡命したと、韓国政府が発表している。(c)AFP