【8月21日 AFP】リオデジャネイロ五輪のサッカーブラジル代表として、母国に初の金メダルをもたらしたネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)が19日、代表主将の座から退くと語った。

 ドイツとのサッカー男子決勝のPK戦で、勝利を引き寄せるシュートを放ちネイマールは、「主将でいられたことは光栄だけれど、今日からはその役目を降りる」と、地元テレビ局のスポルTV(SporTV)に語った。

 コパ・アメリカ・センテナリオ(Copa America Centenario USA 2016)でグループリーグ敗退に終わり、解雇されたドゥンガ(Dunga)氏の後任として、新たにフル代表の監督に就任したチッチ(Adenor Leonardo Bacchi aka Tite)氏は、来月1日に行われる2018年W杯ロシア大会(2018 World Cup)南米予選のエクアドル戦で、初めてチームの指揮を執ることになっている。

「チッチ監督にメッセージを送ることで、監督はこれから別の主将を探すことができる」と続けたネイマールは、リオ五輪に出場したU-23ブラジル代表の主将を務めてきた。そのネイマールが主将の座を降りると決断した際の意思表示について、同代表のロジェリオ・ミカーレ(Rogerio Micale)監督は、「潔い」とコメントした。

「チッチに判断を委ねたネイマールの態度は潔いものだった。この件については私たちの間でも話し合われ、これまで公表を控えていた。私は彼を慰留した。彼はチームの主将にふさわしい人物だ」

「彼もチームもそれを分かっている。しかし改めて言うが、次期主将の選択肢をチッチに委ねたのは潔い態度だった。それは彼の成熟した一面であり、代表でもリーダーとして、チームに尽くしてくれている。大会を終えるにあたり、私はチームと同様にネイマールには素晴らしい印象を持っている」

 24歳のネイマールは、昨年のコパ・アメリカ(2015 Copa America)で主将に就任してわずか2試合目のコロンビア戦で退場処分となり、その役割を疑問視された。さらに、今回のリオ五輪でも南アフリカ戦とイラク戦で2試合連続スコアレスドローに終わり、ふがいないプレーで厳しいバッシングを受けた。

 しかしネイマールは、この日の決勝では最後のPKだけでなく、先制のFKも決めて批評家の声を黙らせた。

 ネイマールは「人生で最高の出来事の一つだ。今度は彼ら(批評家)が、自分たちの発言を引っ込める時だ」と語っている。(c)AFP