【8月21日 AFP】トルコのアナトリア(Anadolu)通信は20日、同国の国会がイスラエルとの国交正常化を承認したと伝えた。トルコで先月発生したクーデター未遂のため承認手続きが遅れていた。

 かつて中東地域で親密な関係を保っていたトルコとイスラエルだが、過去6年間は関係がこじれていた。トルコ国会は夏期閉会を迎える前の19日夜、2国間の関係改善を図る合意を批准した。

 アナトリア通信の報道によると、今回の合意でイスラエルはトルコに対し、2010年にパレスチナ自治区ガザ(Gaza)地区へ向かっていたトルコの救援船をイスラエル特殊部隊が急襲してトルコ人10人が死亡した事件の賠償金として2000万ドル(約20億円)を支払う。イスラエルは合意の発効後25就業日以内に一括で全額をトルコに支払い、被害者の家族がそれぞれ賠償金を受け取る。また国交正常化の条件として両国は、イスラエル国民およびイスラエル政府のために行動した者に刑事上、金銭上の責任を問わないことでも合意した。

 イスラエルは今年6月末に閣議でトルコとの国交正常化合意を承認していたが、トルコ政府は先月15日に軍の一部が起こしたクーデター未遂による時間的制約のため合意を国会に提出していなかった。

 イスラエル政府はトルコのクーデター未遂後、迅速にトルコ政府を支持してクーデターを非難し、2国間の関係正常化を真摯(しんし)に望む意向を表明していた。トルコ側の承認により両国は外交関係を完全に復活させるため大使を交換するプロセスを始めるとみられている。(c)AFP