【8月19日 AFP】欧州を拠点に、北朝鮮首脳のための外貨建ての不正資金を管理する任務に携わっていたとみられる北朝鮮の高官が、多額の資金とともに行方をくらました。韓国メディアが19日、報じた。北朝鮮の外交官をめぐっては先日も、駐英副大使が亡命したことが明らかになったばかり。

 韓国の聯合(Yonhap)ニュースと東亜日報(Dong-A Ilbo)は匿名の情報筋の話として、この高官は、欧州のある国で「保護されている」と伝えた。すでに亡命したのか、受け入れ国を探している段階なのかについては分かっていない。韓国の統一省はコメントを拒否している。

 両紙によると、この高官は、北朝鮮の首脳のために外貨の不正資金を獲得する秘密機関とされる「朝鮮労働党39号室」に所属し、欧州に20年ほど暮らしていた。米情報当局は朝鮮労働党39号室について、薬物の密輸や偽札づくりなどによる違法な資金調達の任務に携わる機関と述べている。

 聯合ニュースによると、この高官は当初、米国への亡命を希望したものの、拒否されたという。また東亜日報によれば、この高官の失踪を受け、北朝鮮の工作員が大規模な捜索を行っている。さらに聯合ニュースはこの高官は、昨年末に数百万ドル(数億円)とともに「失踪」したと述べているが、東亜日報は今年6月に最高で4億ドル(約400億円)とともに姿を消したと伝えている。(c)AFP