【8月19日 AFP】トルコ東部で17日から18日にかけて24時間足らずで3件の爆弾攻撃が発生し、当局者らによると少なくとも14人が死亡、約300人が負傷した。政府はクルド人の非合法武装組織「クルド労働者党(PKK)」の犯行だとしている。7月中旬のクーデター未遂を受けて混乱が広がる中、国の治安部隊に対する攻撃が激しくなっているもようだ。

 南東部のバン(Van)市では17日夜、警察施設を標的とした自動車爆弾による攻撃があり、警官2人と民間人1人が死亡、数十人が負傷した。同市はクルド人とトルコ人の両民族が暮らしている。現場近くの会館では結婚披露宴が行われている最中で、新郎新婦や招待客がパニックに陥った。

 18日未明には東部エラズー(Elazig)市の警察本部前で自動車爆弾が爆発し、警官3人を含む5人が死亡、200人余りが負傷した。2015年にトルコ政府とクルド人勢力の停戦が崩壊して以来、クルド人が住民の多数を占める南東部では攻撃が相次いでいるが、保守派の国家主義者が多いことで知られる同市は攻撃をおおむね免れていた。

 その数時間後には南東部の都市ビトリス(Bitlis)でも軍の車列が通りかかった際に自家製爆弾が爆発、兵士5人と警備員1人が死亡した。

 PKKの最高司令官は先週、トルコ各市でさらなる攻撃を行うと宣言していた。

 アフメト・ダウトオール(Ahmet Davutoglu)前首相はバン、エラズー両市での攻撃について、PKKと、トルコ政府がクーデター未遂の黒幕と見なす米在住のイスラム教指導者、フェトフッラー・ギュレン(Fethullah Gulen)師の支持勢力が協力して行ったとツイッター(Twitter)に投稿した。

 レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領も演説で、トルコはPKKとギュレン運動に対する両面の戦いに直面しているとし、「テロとの戦いは決して終わらない」と述べた。(c)AFP/Raziye AKKOC