【8月19日 AFP】リオデジャネイロ五輪は18日、陸上女子4×100メートルリレーが行われ、単独でタイムトライアルを行った米国が41秒77を記録し、決勝に進出した。

 米国はこの日の午前に行われた予選で、アリソン・フェリックス(Allyson Felix)とイングリッシュ・ガードナー(English Gardner)のバトンパスでバトンを落とし、予選敗退に終わったかに思われた。

 しかし映像では、フェリックスはブラジルの選手に接触されたことが原因で体勢を崩していた。そのため米国が異議を申し立てると、主催者はブラジルを失格としつつ、米国に決勝進出をかけた単独タイムトライアルを行わせるという極めて異例の裁定を下した。

 うそのような一日を過ごした米国のガードナーは、ほっとした様子で「出る前にコーチから、世界中が見守る練習だと思えばいいと言われました。とにかく走るしかなかったし、自分たちを信じていました」と話した。

 フェリックスは、「あの瞬間は、びっくりして頭が真っ白になりました。ああいうことは初めてでしたから」と、この日の奇妙な出来事をまだのみ込めずにいる様子だったが、「いつもと違う変な感じでした。出ていくとみんなが応援してくれて、勇気づけられました。とてもありがたかった」とコメントした。

 ところが米国が決勝に滑り込んだことで、42秒70で全体8位だった中国がはじき出される形で予選敗退となった。この結果にがまんがならない中国は、異議を申し立てたが、国際陸上連盟(IAAF)は認めなかった。

 それでもフェリックスは、中国に対して特別な感情はないようで、「フェアな過程だったと思います。主催者の考えには感激しました。これは単に不幸な出来事だったんです。誰かにはじき出されてほしいとは思わなかったけど、私たちが邪魔をされたのも事実。こんな形にならなければよかったとは思います」と話している。(c)AFP