【8月18日 AFP】リオデジャネイロ五輪でのブラジル人観戦客のマナーに批判が集まっている問題で、大会組織委員会は17日、観戦エチケット教育に取り組むことを約束した。リオ五輪ではこの前日、陸上男子棒高跳び世界記録保持者のルノー・ラビレニ(Renaud Lavillenie、フランス)が、観客からの度重なるブーイングを受けて涙を流していた。

 2012年世界選手権覇者のラビレニは、15日に行われた男子棒高跳び決勝で、ブラジルのチアゴ・ブラス(Thiago Braz Da Silva)と金メダルをめぐる接戦を繰り広げた。

 しかし、ジャンプに臨んだり、スタジアム内のスクリーンに自身の顔が映されたりするたびに、観客席から浴びせられるやじに、ラビレニはショックを受けた。ブラスに予想外の劇的な敗北を喫したラビレニは、16日に行われた表彰式で涙を流した。

 五輪精神よりもサッカーでの激しい応援方法になじみのあるブラジル人観客のこうしたブーイングについては批判的な声が相次いでいるが、大会組織委の広報担当者マリオ・アンドラーダ(Mario Andrada)氏は、大会側はソーシャルメディアを通じた啓蒙(けいもう)活動に努めていると述べている。

 アンドラーダ氏は17日、記者団に対し、「ブーイングは、正しい応援のやり方ではなく、賛同できるものではない。こうしたことが(繰り返され)ないように取り組んでおり、改善への一歩を踏み出したところだと思う」と説明。組織委員会はウェブサイト上に、ポルトガル語で注意を喚起するメッセージを2件投稿したと付け加えた。

「われわれはファンと対話をしていく必要がある。問題を野放しにしておきたくはないし、選手らがあおりを受ける事態は避けたい」

 アンドラーダ氏は一方で、世界記録保持者のラビレニに対するブラスの健闘ぶりは「誰にとっても大きな驚き」だったため、「観客をさらに突き動かす結果となった」と説明。「観客は歴史的瞬間を目撃し、われを失ってブーイングしてしまった」と述べた。(c)AFP