【8月18日 AFP】五輪に出場するため訪れていたブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)で強盗被害に遭ったことを明らかにしていた米競泳代表のライアン・ロクテ(Ryan Lochte)とジミー・ファーゲン(James Feigen)について、ブラジルの裁判所は17日、証言内容に疑念が生じたとして、出国を禁止する命令を出した。

 裁判所は声明で、「米競泳選手らに対する捜査令状とパスポート(旅券)押収命令を出した。これにより、彼らは出国を禁じられる」と述べている。

 ブラジルメディアは、ロクテがすでにブラジルを出国したと報じているが、この情報の真偽は確認されておらず、リオ警察からのコメントは今のところ得られていない。

 また、米オリンピック委員会(USOC)も選手らの所在についてのコメントを拒否しているが、ブラジル警察が同日午前にリオデジャネイロ五輪の選手村を訪れ、2人に対する事情聴取を求めたことを認めている。だが競泳代表チームはすでに選手村を離れていたという。

 ロクテは、リオ中心部で開かれたパーティーに出席した帰り、自分とチームメート3人が乗ったタクシーが、警察官を装った集団による強盗被害に遭ったと話している。強盗団は4人を地面に伏せさせ、金品を奪ったとされる。ロクテはその際、額に銃を突き付けられたという。

 しかし、五輪組織委員会によると、警察は現在もタクシーの運転手を含む目撃者を特定できていない。

 裁判所は声明で、選手らが証言した武装集団の人数などに矛盾がある可能性を調査していると説明。また、選手らがホテルに戻った際、動揺した様子は見せずに冗談を言い合う姿が防犯カメラに捉えられていた点についても、疑念が残ると述べている。(c)AFP