【8月17日 AFP】サウジアラビア南部で16日、隣国のイエメンから反政府勢力による越境砲撃があり、一般市民7人が死亡した。国営サウジ通信(SPA)が報じた。前日15日にはイエメン側で、サウジアラビア主導の連合軍が病院を空爆して14人が死亡する事件が発生し、連合軍が調査に乗り出したばかりだった。

 イエメンの反政府勢力がロケット攻撃を加えたのは、サウジ南部の都市ナジュラン(Najran)。SPAは同市の民間防衛当局報道官の話として、市民7人が死亡したと伝えた。サウジ主導の連合軍が1年5か月前にイエメンへの介入に踏み切って以来、民間人の犠牲者数としては最多となった。

 この前日には連合軍が、イエメン北部ハッジャ(Hajja)州アブス(Abs)にあり、国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」が支援している病院を空爆。MSFによるとMSFの関係者1人を含む14人が死亡、24人が負傷した。空爆に対しては国際社会からの非難が集中したことから、連合軍が調査に着手していた。

 連合軍がイエメン政府側を支援して介入を始めて以来、反政府武装勢力であるイスラム教シーア派(Shiite)系のフーシ派(Huthis)が、報復としてサウジアラビア南部にロケット攻撃を仕掛けており、これまでに市民と兵士合わせて100人以上が死亡している。

 今月に入り、国連(UN)が仲介していた和平協議が頓挫してから、両国の国境を挟んだ応酬が激化している。(c)AFP