【8月16日 AFP】ネットマスクで顔を覆い、白い防護服を身に着けて、慎重にミツバチの巣を調べる3人のパレスチナ女性。養蜂が女性たちの生活を変えてくれたという。

 半世紀近くにわたりイスラエルが占領するヨルダン川西岸(West Bank)地区の丘陵地帯では、養蜂は多くの女性たちの経済的生命線だ。

 失業者は4人に1人、女性に限れば失業率が40%に達するパレスチナ自治区では、養蜂が大きな収入源になっている。

 ムンタハ・バイラト(Muntaha Bairat)さん(37)は4年前、パレスチナ自治政府が拠点を置くラマラ(Ramallah)近郊カフル・マリク(Kafr Malik)村近くのオリーブ林で養蜂を始めた。

 同じ村出身の女性5人と共に管理しているミツバチの巣を調べながら、バイラトさんは大きな成果は期待していなかったとAFPに語った。「でも仕事を始めたら、私たちにとって巨大なプロジェクトであることがわかった。生活は一変した」という。

 バイラトさんらは毎年、600キロの蜂蜜を生産し、1キロ当たり約100シェケル(約2600円)で販売している。維持費を引いた手取り収入は1人当たり年間およそ6000シェケル(約16万円)だ。

 このお金で、息子を大学へ行かせることができた女性や、長年の夢だったテレビを買えた女性もいる。

 このプロジェクトが始まるまでは、パレスチナを一度も出たことのない女性たちもいたが、今では物産展で商品を紹介するため、ヨルダンやスペインに出張することもあると、バイラトさんは語る。

 女性たちは現在、蜂蜜以外にも、ローヤルゼリーや蜜ろうを使った製品開発に意欲を示している。

 このプロジェクトは、ヨルダン川西岸地区とガザ(Gaza)地区において、64件の小規模農業プロジェクトを運営する103人の女性を後押ししているパレスチナ農業救援委員会(PARC)が支援している。

 52歳のノアマ・ハマエル(No'ama Hamayel)さんは、毎週1キロの蜂蜜を売ることによって家計は大幅に改善すると語っている。(c)AFP/Shatha Yaish