【8月16日 AFP】米国の人種間関係についての意見を交換する場所として、ソーシャルメディアが極めて重要な役割を果たしているが、その利用者は白人よりも黒人の方が圧倒的に多いとする調査結果が15日、発表された。

 米ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)の報告によると、米国のソーシャルメディア利用者のうち、交流サイト(SNS)で人種間関係についてやり取りすることがあると答えた黒人は68%で、白人の35%に比べて約2倍だった。

 今回の報告書は、警察に身柄を拘束された際に死亡するアフリカ系米国人が相次いだことを受けて、「#BlackLivesMatter (黒人の命は重要だ)」などのハッシュタグを使った社会運動が活発化する中で発表された。

 報告書によると、黒人のソーシャルメディア利用者のうち、投稿の大半または一部は人種あるいは人種間関係についてだと答えたのは28%だったが、白人の利用者ではわずか8%だった。またソーシャルメディアを利用している白人の3分の2は、投稿やシェアをする内容に人種は一切関係していないと答えた。

 報告書は、共通の関心を持つ集団が集い、考えや情報を共有する場所としての役割もソーシャルメディアは果たしており、ツイッター(Twitter)やフェイスブック(Facebook)などのソーシャルメディアサイトでは、利用者らが多くの人の意見を集めることによって、各種の問題に注目を集めることができる場合があるとしている。

 また今年テキサス(Texas)州ダラス(Dallas)やルイジアナ(Louisiana)州バトンルージュ(Baton Rouge)で発生した警官が銃撃された事件の後、ソーシャルメディア上の会話の調子に変化が生じ、「#AllLivesMatter(すべての命は重要だ)」や「#BlueLivesMatter(警官の命は重要だ)」といったハッシュタグの利用が増えたとも報告書は指摘している。

 今回の調査は、今年2月29日~5月8日の間に米国人3769人を対象に実施したインタビューを基にしたもので、調査対象全体についての誤差範囲は2.3%と推定される。(c)AFP