【8月16日 AFP】ジカウイルスの地域内感染が局地的に確認されている米南部フロリダ(Florida)州マイアミ(Miami)を訪れていた人が、自宅のあるテキサス(Texas)州に戻った後、ウイルスへの感染が明らかになった。地元当局が15日、発表した。ジカウイルスは、胎児の先天性異常を引き起こす可能性が指摘されている。

 テキサス州保健局(Texas Department of State Health Services)は、「米本土内の移動に関連するとみられるテキサス州初のケース」と述べ、旅行期間や症状の発現日、マイアミでの感染状況などを考慮した上で慎重に判断したと説明した。

 身元の詳細は明らかにされていないが、この患者は最近、マイアミ市内の局所的にジカ熱が流行している地域を訪れていた。テキサス州に戻った直後に体調が悪くなったため検査を受けたところ、陽性反応が出たのだという。

 フロリダ州では7月以降、地域内でのジカウイルス感染件数が30件に上っている。米本土での地域内感染は、ここが初めてとなった。

 フロリダ州のリック・スコット(Rick Scott)知事は15日、「感染エリアは、マイアミ中心部の北にあるワインウッド(Wynwood)地区約2.6平方キロ以内に限られていると依然として考えている」と述べたが、その一方で、フロリダ州保健局(Florida Department of Health)は、ジカウイルスの地域内感染が発生した可能性が高いとして、マイアミデード(Miami-Dade)郡とパームビーチ(Palm Beach)郡の計4地区で調査を行っている。

 テキサス州保健当局は現在、同州での地域内感染に備えて警戒態勢を取っていることを明らかにした。(c)AFP