【8月16日 AFP】リオデジャネイロ五輪は15日、陸上女子ハンマー投げ決勝が行われ、アニタ・ウロダルチュク(Anita Wlodarczyk、ポーランド)が自身の持つ世界記録を更新し、金メダルを獲得した。ウロダルチュクは4年前のロンドン五輪で、ドーピング違反歴があるタチアナ・リセンコ(Tatyana Lysenko、ロシア)に敗れ金メダルを逃していた。

 女子ハンマー投げ史上最高の選手と称される31歳のウロダルチュクは、3回目の投てきで、自身が昨年に記録した81メートル08の世界記録を1メートル以上上回る82メートル29を記録。さらに5回目の投てきでも、昨年の記録を再び上回る歴代2位の81メートル74を記録した。

 銀メダルは76メートル75を記録した張文秀(Zhang Wenxiu、中国)、銅メダルは74メートル54のソフィー・ヒッチョン(Sophie Hitchon、米国)が獲得した。

 2012年ロンドン五輪決勝でリセンコに金メダルを奪われたウロダルチュクは、今回の五輪で実力に値する勝利を手にした。

 ロンドン五輪に先立ち、ホルモン阻害薬の摂取を理由に2年間の資格停止処分を満了していたリセンコは、2005年の世界陸上ヘルシンキ大会(10th IAAF World Championships in Athletics Helsinki)で採取され冷凍保存されていた検体の再検査対象となった数十人の選手のうちの一人。

 国際陸上競技連盟(IAAF)は4月、検査結果に異常がみられたとして、リセンコに暫定処分を科したと発表。翌5月にはイタリアとロシアのメディアが、ロンドン五輪の検体再検査によりドーピング陽性反応が出た選手にリセンコが含まれていたと報じていた。

 この検査結果が事実ならば、リセンコは陸上競技界から永久追放される可能性があるが、リセンコからはく奪される見込みの金メダルがウロダルチュクの手にわたるかどうかは今のところ不明。(c)AFP