【8月15日 AFP】シリアに近いトルコの空軍基地に米国が保有している核兵器が、「テロリストなどの敵対勢力」に奪取される危険性があるとする報告書を15日、米首都ワシントン(Washington.D.C)のシンクタンク、スティムソンセンター(Stimson Center)が発表した。

 紛争が続くシリアとの国境からわずか110キロメートルの距離に位置するトルコ南部のインジルリク空軍基地(Incirlik Air Base)には、米国が約50発の核兵器を保管していると推定されており、以前から不安視されてきた。

 しかし、先月トルコで起きたクーデター未遂事件に関与したとして、同基地の司令官が拘束されたことで喫緊の課題となっている。

 今回の報告書は、「トルコでの内紛が長期化する中、米国が核兵器を適切に管理できたかどうかは、答えの出ない問題だ」としている。

 インジルリク空軍基地は、米主導の有志連合にとってイラクとシリアでのイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」との戦闘における重要な拠点となっており、小型無人機(ドローン)や戦闘機が速やかに出動できるよう配備されている。(c)AFP/Thomas WATKINS