【8月15日 AFP】香港(Hong Kong)の裁判所は15日、行政長官選挙の民主化などを求めて大規模なデモ隊が路上を占拠した2014年の「雨傘革命(Umbrella Revolution、雨傘運動)」を指導し、非合法集会に参加した罪などで有罪判決を受けた学生3人に対する量刑言い渡しで、過熱した「政治的な空気」に基づいた判断は行わないとして、それぞれ執行猶予付き判決と社会奉仕活動を命じた。

 周永康(アレックス・チョウ、Alex Chow)さん(25)、黄之鋒(ジョシュア・ウォン、Joshua Wong)さん、羅冠聡(ネイサン・ロー、Nathan Law)さんの3人の学生指導者は先月、有罪判決を受け、禁錮2年の実刑判決が下る恐れがあった。

 香港では中国が支配を強めているとの懸念から緊張が高まっており、3人に厳しい量刑が下れば反発が起きるとみられていた。国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は判決について、香港の活動家に対する威嚇であり「恐ろしい警告」だと非難していた。

 しかし、裁判官は3人の学生指導者には犯罪歴がない点を指摘。社会問題を憂慮し、政治に対する情熱から「彼らは行動を起こした」と述べ、「本件は通常の刑事裁判とは異なる。彼らが純粋に自らの意見を表明したことを私は認める」「政治的な空気に基づいて抑止的な判決が下されれば、被告らにとって不当となる」と説明。周さんに執行猶予付き禁錮3週間を言い渡し、黄さんと羅さんには社会奉仕活動を命じた。(c)AFP/ Dennis CHONG