【8月15日 AFP】リオデジャネイロ五輪の陸上男子円盤投げで金メダルを獲得したクリストフ・ハルティング(Christoph Harting、ドイツ)が、自身の表彰台での振る舞いと勝利後のインタビューを拒否したことについて謝罪した。

 ロンドン五輪金メダリストで、今大会で連覇を目指していた兄ロバート・ハルティング(Robert Harting、ドイツ)は、腰のけがで予選敗退を余儀なくされたが、弟クリストフは決勝の最終投てきで自己ベストとなる68メートル37を記録し、金メダルに輝いた。

 金メダルを獲得したクリストフだったが、競技終了後の表彰式で国歌が流れる中、表彰台で口笛を吹き、記者会見の場で不機嫌な表情を見せたことで非難を浴びた。大会前もインタビューに応じていなかった25歳のハルティングは、ドイツ公共放送ARDに対して「(自身の行動によって)気分を害してしまった人々に対しては申し訳なく思う。意図したものではなかった」と語った。

「今シーズンはほとんどインタビューを受けていなかった。だから公平にするために、今回もインタビューを受けないようにしようという考えが最初に頭をよぎった」

「(金メダルを獲得して)もちろん、状況は少し異なっていたわけだが、競技後になって(自身の振る舞いの)重大さに気がついた」

「浅はかだったと思う。だけど金メダルを獲得した直後のような状況では勝利後の興奮が残っていたため、意図したよりも大げさに映ってしまった」

 クリストフは過去にも記者会見場で不機嫌な態度を見せることで知られてきた。ときには兄ロバートの名前の発音を間違えた記者に対して、「質問に答えたくない」、「自分は選手であって、広報担当者ではない」といった発言をしたこともある。

 クリストフが今回みせた表彰台や記者会見での振る舞いには、独オリンピック委員会(DOSB)のアルフォンス・ヘルマン(Alfons Hoermann)会長も苦言を呈しており、「(クリストフの振る舞いは)理想的ではなかったが、意図したものではなかったと確信している」と語った。

 ドイツ代表選手団のミヘル・ヘスパー(Michael Vesper)団長も、「表彰式での行動はほめられたものではなかった。彼はドイツ代表の一員であると同時に、国の大使でもあるわけだから」と語った。

 走り幅跳びで欧州選手権王者となった経験のあるセバスチャン・バイヤー(Sebastian Bayer)も、ツイッター(Twitter)に「円盤投げの金メダルは本当にすごい!!!でも、ドイツでテレビの前から見ていると、彼の振る舞いは本当に恥ずかしい」と投稿していた。

 一方、兄弟仲があまりよろしくないとされている兄ロバートだが、今回はクリストフの決勝を観客席で観戦していたといい、弟の金メダルについても喜んでいるという。

「弟へ。世代交代が始まったみたいだ。クリストフの成功を本当に喜ばしく思う」

(c)AFP