【8月14日 AFP】スポーツ仲裁裁判所(CAS)は13日、国際陸上競技連盟(IAAF)からリオデジャネイロ五輪出場を唯一認められていたロシアの女子走り幅跳び選手、ダリア・クリシナ(Darya Klishina)について、五輪出場を認めないことを発表した。クリシナは裁定を不服として即座に異議を申し立てている。一方、IAAFも「新たな情報」を入手したとして、クリシナに認めていたリオ五輪出場資格を取り下げることを明らかにした。

 CAS関係者の話によると、世界反ドーピング機関(WADA)が公表したカナダのリチャード・マクラーレン(Richard McLaren)教授による報告書で、ドーピングが指摘された選手の中にクリシナの名前があったことを示唆している。7月18日に発表された報告書では、選手名は非公表だった。

 IAAFは、国家ぐるみの組織的なドーピングが調査で明らかになったことを受け、露陸上選手のリオ五輪出場を禁止していた。ロシア代表選手団は、68人の選手をリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)に派遣しようとしていたが、クリシナ以外は認められなかった。

 25歳のクリシナは2013年以降から米国を活動拠点としていたため、ロシアの陸上選手では唯一リオ五輪の出場資格が認められていたが、IAAFの広報担当者は「ダリアの例外的出場資格を取り下げる」と発表し、「出場禁止処分はわれわれが新たに得た情報を基に決断され、その情報はダリアにも共有されている」とコメントした。

 ロシア陸上競技連盟(ARAF)も、クリシナが出場禁止処分を受けたことを認め、国営タス通信(TASS)に対して「われわれはリオにあるCAS臨時出張所からダリアが土壇場になって出場を禁じられたという知らせを受けた」とコメントしている。(c)AFP