【8月13日 AFP】ポーランドの反ドーピング委員会は12日、2012年ロンドン五輪の重量挙げ金メダリストのアドリアン・ジェリンスキ(Adrian Zielinski)が、筋肉増強剤のナンドロロン(nandrolone)に陽性反応を示したため、リオデジャネイロ五輪出場を禁止されたことを明らかにした。3日前には、弟のトマシュ・ジェリンスキ(Tomasz Zielinski)もドーピング違反で出場禁止処分を科されている。

 27歳のアドリアンはロンドン五輪の男子85キロ級で金メダルを獲得し、25歳のトマシュは欧州選手権を制した実績を持っている。13日の重量挙げ男子94キロ級に出場を予定していたジェリンスキ兄弟は、ともにドーピングを否定している。

 母国メディアに「はめられた」と主張したアドリアンは、「ドーピングした上で、メダルを獲得するためにリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)に来たのであれば、本当にばかでしかない」とコメントし、今回の違反は故意ではないとしている。

「ドーピングに手を出す方が失うものが多すぎる。工作されたのかもしれない。誰かがわれわれを陥れたに違いない」

 ポーランドウエイトリフティング連盟(PZPC)の会長で北京五輪金メダリストのシモン・コレツキ(Szymon Kolecki)氏は、トマシュがリオ五輪から除外された直後の9日、辞任を表明していた。コレツキ氏は報道陣に「起きたことについてとても申し訳ないし、恥ずかしく思う」と語っている。

 ジェリンスキ兄弟は連盟主導の練習には参加せず、個人で五輪に向けた調整を行っていた。(c)AFP