【8月10日 AFP】インド南部で、現金を輸送していた列車の天井に穴が開けられ、75万ドル(約7600万円)以上が盗まれる事件が起きた。警察当局が10日、発表した。

 列車は、インドの中央銀行「インド準備銀行(Reserve Bank of India)」の現金34億ルピー(約52億円)を郵便貨物車両に載せて、南部セーラム(Salem)から、300キロ以上離れたチェンナイ(Chennai)に向けて走行していた。走行中は、武装した警察官がとなりの車両で警備にあたっていたという。だが9日にチェンナイに到着後しばらくして、現金を受け取りに来たインド準備銀行の職員が現金の一部がなくなっていることに気付いた。

 現金を載せた車両の天井には、切断トーチで開けられた約1.2メートル四方の穴が残っていた。警察当局のP・ビジャヤクマル(P Vijayakumar)氏は「列車の屋根から不審な物音がしなかったか、鉄道警備員や警察官に事情を聴いているところだ」と語った。

 現金は、汚れにより廃棄処分されるためにチェンナイに輸送中だった。輸送車両は出発前の8日夜に鍵を閉められており、犯人たちはその前に車両に忍び込み隠れていたとみられている。また、犯人らは列車から飛び降りた可能性があるため、警察当局は紙幣が落ちていないか線路沿いを捜索している。(c)AFP