【8月9日 AFP】国連(UN)は9日、激しい空爆にさらされているシリア第2の都市アレッポ(Aleppo)が、過去4日間にわたって断水に見舞われ、最大で200万人が「破滅的」な状況に置かれていると警鐘を鳴らした。

 国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)によると、ここ数週間アレッポで繰り広げられている激しい戦闘で、電力網が損傷を受け、市内全域に供給する水をくみ上げられなくなっているという。

 ユニセフ・シリア事務所代表のハナア・シンガー(Hanaa Singer)氏は「アレッポの子どもたちと家族は破滅的な状況に直面している」と声明を出し、「熱波に見舞われている最中での断水により、子どもたちが水系感染症の甚大なリスクにさらされている」として、「清潔な水道水供給の再開のために、停戦を待つことはできない。子どもたちの命が本当に危ない」と強調した。

 英国放送協会(BBC)の気象情報によると、9日のアレッポの気温は40度に迫っていたという。

 一方、国連人道問題調整事務所(OCHA)も8日、同じくアレッポの200万人以上の人々が完全に包囲される危機に直面していると警告した。

 OCHAのシリア担当調整官、ヤコブ・エルヒロ(Yacoub El Hillo)氏とケビン・ケネディ(Kevin Kennedy)地域担当人道調整官は8日の声明で、戦闘の「人道的休止」を求めた。アレッポでは市内東部から脱出できずにいる27万5000人を含む200万人が、包囲におびえながら暮らしていると指摘している。

 政府軍と反体制派に分断されているアレッポではここ数週間、両者が互いの使用ルートを占拠し合い、住民らを孤立させている。

 アレッポの戦闘では7月末以降、少なくとも民間人130人が殺害されており、病院や医療施設も破壊された。声明では「少なくとも、困窮している数百万というアレッポの人々に、危険なレベルにまで不足している食料や医薬品を補給するために、国連は全面的な休戦か、毎週48時間の人道的休止を要請する」としている。(c)AFP