足こぎ潜水艇での英仏海峡横断、トラブル続き断念
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【8月9日 AFP】足こぎ式の潜水艇で英仏海峡(Channel)の横断に挑戦していた2人のフランス人エンジニアが、技術的な問題を理由に断念したと8日、プロジェクトチームが発表した。
アントワーヌ・デラファーグ(Antoine Delafargue)さん(34)とミシェル・デ・ラガルド(Michael de Lagarde)さん(35)は今月5日、重量3トン、全長6メートルの潜水艇で英南西部プリマス(Plymouth)を出発した。
2人は仏北西部サンマロ(St Malo)までの250キロを1週間で横断することを目指し、ツール・ド・フランス(Tour de France)の1日分のレースに相当する1日最大12時間、ペダルをこぎ続ける予定だった。
しかし、潜水から数時間のうちに、潜水艇の後を追っていた船舶の音波探知機(ソーナー)が使用できなくなり、プリスマの港に引き返さざるを得なくなったと、プロジェクトの広報担当ガエル・ブルレ(Gael Brelet)さんはAFPに語った。
港に戻る途中で、別の問題も発見された。ブルレさんによると、潜水艇内の「一酸化炭素量が危険なレベルに達している」ことが示された。実際には燃料電池の水素が漏れていたことが後の調査で明らかになった。
デラファーグさんとラガルドさんは安全上の理由からプロジェクトの中止を決め、来年に再挑戦するという。
英メディアによると、デラファーグさんはプロジェクトの費用約10万ポンド(約1330万円)を自腹で捻出したという。「子どもの頃から潜水艇を造りたいとずっと思っていた」とデラファーグさんは話していた。(c)AFP