【8月8日 AFP】シンガポールの首相夫人が先週、米ホワイトハウス(White House)を訪れた際、自閉症の少年がデザインした恐竜柄のポーチを持っていたことがインターネット上で話題となり、1日でこのポーチの在庫200個が完売した。

 先週初め、シンガポールのリー・シェンロン(Lee Hsien Loong)首相の米公式訪問に同行したホー・チン(Ho Ching)夫人は、白い恐竜をモチーフにした青いポーチを手にしていた。その様子を写した写真がネット上で広まると、1個11ドル(約1100円)のポーチの売り上げは急激に伸びた。

 このポーチはホー・チン夫人が前週末、シンガポールの自閉症療育センター(Autism Resource CentreARC)の支援イベントで購入したもの。恐竜のイラストは、ARCが運営する自閉症患者のための学校「パスライト・スクール(Pathlight School)」に通うシー・トー・シェン・ジエさん(19)が描いた。生徒が手掛けたアート作品を学校が製品化するシリーズの一つで、売れれば生徒に使用料が入る。

 学校には恐竜柄ポーチの在庫が200個あったが、ホワイトハウスの庭で開かれた歓迎会に出席したホー・チン夫人がこのポーチを手にした写真が拡散されると、注文が殺到。通常は数か月かけて売る量が、たった1日で完売してしまった。現在は2か月待ちで注文を受け付けている。

 ホー・チン夫人はアジアでも有数のビジネスウーマン。公式行事の携行品としては珍しい今回のチョイスに、ネット上では称賛が集まっている。(c)AFP