【8月4日 AFP】リオデジャネイロ五輪に出場するバスケットボール女子米国代表のエレナ・デレ・ダン(Elena Delle Donne)は、大会連覇を果たして歴史を継承していく一方で、同性愛者であることを公表して世間を変えることを目指している。

 米女子プロバスケットボール協会(WNBA)で昨季の最優秀選手(MVP)に選出されたデレ・ダンは、米ファッション誌『ヴォーグ(Vogue)』の最新号で、同性愛者であることを告白した。

「騒ぐほどの話ではありません。いつか話題にもならなくなるでしょう」と話す26歳のデレ・ダンは、「女性と結婚することを明らかにしても、私の顔が変わるわけではありませんし、自分のイメージに影響することでもありません。ブランドイメージに影響するというのであれば、そのブランドの一部になる気はありません」とコメントしている。

 今年6月2日にアマンダ・クリフトン(Amanda Clifton)さんと婚約したデレ・ダンは、普段はプライベートの生活を明かさないものの、五輪で圧倒的強さを誇っている米国代表としてリオ五輪に備える中、今回の告白できたことを喜んでいる。

「私の人生において、彼女が重要な役割を果たしていることが分かってもらえました。自分たちの関係をオープンにできて、本当に満足しています。『すごい、告白できたわ』という感じで、これが普通になることがすごくうれしい。これからは特別なことではなくなります」

「この状況が素晴らしいのは、いつの日かこうした話題が騒がれなくなり、私たちも告白する必要がなくなるということです。事実を隠していれば、永遠にそのままです。世間は確実に変化しています」

 その一方で、デレ・ダンにとってコート上での変化は望ましいことではない。五輪で現在41連勝中の女子バスケ米国代表は、5大会連続で金メダルを獲得しているほか最近の8大会でも7度優勝を果たしており、デレ・ダンは連勝記録更新を目指している。

「私たちには目標を成し遂げる意欲とスキルがあり、それを毎試合発揮できるかどうかにかかっています。これまでの歴史は特別なもので、過去の米国女子代表は、現在の私たちにとって刺激になっています。彼女たちがみせてきた献身は、私たちにとって大切な要素です」

(c)AFP/Jim SLATER