【8月4日 AFP】ロシア国防省は3日、政府軍と反体制派の戦闘が激化しているシリア北部アレッポ(Aleppo)で、反体制派が有毒兵器による攻撃を行い、7人が死亡したと発表した。在英のNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」も攻撃で死者が出たと報告しているが、ガスが使用されたかについては確認していない。

 ロシア当局者が国営タス通信(TASS)に語ったところによれば、反体制派の武装組織「ヌーレディン・アルジンキ(Nureddin al-Zinki)」が2日、なんらかの「有毒物質」を搭載した兵器を反体制派が支配する地区から政権側の支配地区に向けて発射。これによって7人が死亡したほか、23人が呼吸障害や気道のやけどなどでアレッポの病院に搬送されたという。

 ロシア当局はこの攻撃に関して、反体制派を支援している米国にも伝達した。

 シリアの国営メディアも2日、反体制派が毒ガスを搭載したロケット弾を撃ち込み、5人が死亡、8人が窒息に伴う損傷を負ったと報じている。

 シリア人権監視団は、ロケット攻撃での死亡者は6人で、すべて兵士だとしている。ただ監視団のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表はAFPに対して、なんらかのガスが実際に使用されたかについては確認しなかった。

 アレッポをめぐっては、ロシア軍の支援を受けるバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権側部隊と反体制派の戦闘がここ数日激化しており、監視団によると2日には市から50キロメートル南の反体制派が支配する町サラケブ(Saraqeb)で、たる爆弾による攻撃後に24人が呼吸困難を起こした。住民は塩素ガスが使用されたと主張したが、監視団としては確認できなかった。

 サラケブ近郊では1日、ロシア軍のヘリコプターが撃ち落とされ、乗員5人が死亡している。(c)AFP