【8月1日 AFP】台湾の蔡英文(Tsai Ing-wen)総統は1日、何世紀にもわたって虐げられてきた先住民に対し、元首として初めて公式に謝罪した。

 先住民族の血を引く唯一の総統である蔡氏は、先住民社会との緊張緩和を目指す政府の取り組みの一環として、過去の不当な扱いについて調査する委員会を自ら率いる方針を明らかにしている。

 蔡総統は演説の中で「先住民が過去400年間耐え忍んできた苦しみと不平等に対し、心の底から遺憾の意を表し、政府を代表して陳謝する」と述べた。

 さらに今回の謝罪を「前へ踏み出す新たな一歩」と位置付け、「歴史を真摯(しんし)に見つめ直し、真実を語る必要がある」と指摘した。

 先週末、台北(Taipei)の総統府前では先住民数百人が抗議行動を行い、狩猟権の保護や政府からの具体策の提示を要求していた。

 台湾の人口2350万人のうち約2%を占める先住民は、数世紀前に中国本土から移民が到着するようになって以来、伝統文化が破壊されてきたと訴えている。(c)AFP