【7月28日 AFP】トンネルから突然姿を現した十数人の若者たちが、カラシニコフ(Kalashnikov)自動小銃を片手に駐屯地に対して急襲をかける──。

 ここはパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)。2008年以降、イスラエルとの間で3度にわたって軍事衝突が起きたが、今回の戦闘は実戦ではない。

 若者たちが参加しているのは、ガザ地区を支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)の軍事部門、イザディン・アルカッサム(Ezzedine al-Qassam Brigades)の「夏季訓練キャンプ」。参加者の年齢は15~20歳だ。

 190万人が暮らすガザ地区で開催されるこうした訓練キャンプは、若者たちの幸せな生活を懸念する人権団体から厳しく批判されている。

 アルカッサムの黒い目立し帽で顔を隠したメンバーはAFPに対し、夏季キャンプに若者を参加させることはハマスの「パレスチナ解放闘争」 への人材確保において重要な役割を果たしていると主張。「われわれはこの(若い)世代に、君たちこそが未来だと伝えたい」「われわれの勝利は君たちにかかっている」とコメントしている。(c)AFP/Adel Zaanoun