【7月27日 AFP】インドでは、トイレの不足や汚れた水、劣悪な衛生環境などが原因で発育不全の子どもが世界一多い。新たな研究結果が26日に発表された。

 発育不全は栄養不良が原因で起こり、年齢に対する成長率が標準よりも下回っている状態。生後2歳を超えてからは遅れを取り戻すことが難しいケースが多い。

 水と衛生に関する国際NGO「ウォーターエイド(WaterAid)」によると、世界の5歳未満の子どもの30%に当たる4800万人を抱えるインドは、近年の経済成長にもかかわらず、世界のどの国よりも発育不全の子どもが多く、幼年期を生き延びても他国の栄養状態の良い子どもに比べて身体的、知的に脆弱だという。

 ウォーターエイドは、トイレと清潔な水の不足がインドでの発育不全の原因になっていると指摘する。トイレが不足しているため、屋外での排せつが増え、不衛生な環境となり、病気のまん延と感染が起きるためだ。インドに関する同NGOのデータでは、毎年14万人の子どもが下痢が原因でなくなってとしており、また安全な水を入手できない子どもが7600万人、適切な衛生環境下で暮らしていない子どもが7億7400万人いるという。

 屋外排せつはインドで長年、大きな保健衛生問題となっている。国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)によると、インド国民の半数近い約5億9400万人が屋外で排せつしているという。(c)AFP