【7月25日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)は24日、国家ぐるみのドーピングが指摘されたロシアに対し、リオデジャネイロ五輪参加の全面禁止処分は科さない方針を決めた。ただし、個々のロシア選手には異例の厳しい出場条件が課された。

 IOCのトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は、ロシアのリオ五輪出場を認める理由として、ドーピング違反をしていない選手の権利を守るためとしている。なお、ロシアの陸上選手はすでにドーピング問題を理由にリオ五輪参加が禁止されている。

 IOC理事会は24日の緊急理事会で、ロシア代表選手らに対し以下の厳しい出場条件を定めた。

・各選手は、それぞれの競技連盟によって個々に潔白を証明されなければならない。
・各競技連盟は、過去のドーピング検査で陽性の結果が出なかったことを潔白の証明とみなすべきではない。国際的な検査のみが有効であって、潔白を推定すべきではない。
・個々の選手についての判断は、スポーツ仲裁裁判所(CAS)の専門家の承認を受けなければならない。
・以前にドーピング検査で陽性結果が出た選手は、たとえ処分期間を終えていても出場を禁ずる。
・世界反ドーピング機関(WADA)が先週公表したカナダのリチャード・マクラーレン(Richard McLaren)教授による報告書で名指しされている選手は出場を禁ずる。

 ロシア代表に選出されている300人以上の選手は、五輪が開幕する8月5日までのわずか2週間以内にこれら条件をすべて満たす必要がある。(c)AFP/Ben Simon