【7月24日 AFP】ドイツ南部ミュンヘン(Munich)の警察は23日、22日に銃を乱射して9人を殺害した10代の少年はノルウェー人の狂信的右翼主義者アンネシュ・ベーリング・ブレイビク(Anders Behring Breivik)受刑者など大量殺人犯に強い関心を持っており、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」との関連はなかったと発表した。

 ダビット・アリ・ソンボリー(David Ali Sonboly)容疑者(18)は22日、ミュンヘンのショッピングモールで銃を乱射した後、自らに銃口を向けて自殺した。欧州でこの種の事件が起きたのはこの1週間ほどの間で3度目となり、人々は大きな衝撃を受けている。

 当局によると、ドイツとイランの二重国籍を持つソンボリー容疑者には精神病歴があったという。トマス・デメジエール(Thomas de Maiziere)独内相は、ソンボリー容疑者がある女の子のフェイスブック(Facebook)ページをハッキングし、被害者を事件現場のマクドナルド(McDonald's)に誘い出して銃を乱射したとみられていると述べた。

 ミュンヘン警察のフベルトゥス・アンドレ(Hubertus Andrae)署長は「ISとの関連はまったくない」と述べ、「錯乱した人物が起こす典型的な事件だ」と説明し、捜査当局は今回の事件はノルウェーで2011年にブレイビク受刑者が77人を殺害した事件と「明白な関連」があるとみていると付け加えた。

 ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は今回の事件について、ミュンヘンが「恐怖の夜」を経験したと述べた。警察によると、今回の事件では被害者の多くが若者で、うち3人は14歳だったという。

 同国のトマス・シュタインクラウスコッホ(Thomas Steinkraus-Koch)検事は、ソンボリー容疑者がうつを患っていたと述べた。メディアは同容疑者が精神科の治療を受けていたと報道している。

捜査当局によると、ソンボリー容疑者は事件現場となったオリンピア・ショッピングセンター(OEZ)から数分の場所にあるアパートで家族と共に暮らしていた。同容疑者が事件当時所持していたリュックサックからは弾丸300発が発見された。(c)AFP/Simon MORGAN and Valerie LEROUX