【7月23日 AFP】女子のスピードスケートで3つの五輪金メダルを獲得しているマルティナ・サブリコワ(Martina Sablikova、チェコ)が、自転車競技の女子個人タイムトライアルで出場資格が確定しないまま、リオデジャネイロ五輪が行われるブラジルに出発することになった。同選手の代理人が22日に明かしている。

 29歳のサブリコワは、米南部バージニア(Virginia)州リッチモンド(Richmond)で行われた昨年のUCIロード世界選手権大会(2015 UCI Road World Championships)で好成績を残し、チェコにリオ五輪出場枠をもたらした。

 しかし、個人タイムトライアルの選手はロードレースの代表資格が必須となっており、チェコ自転車競技連盟(CSC)がこの規則を見落とすミスを犯していたため、サブリコワはロードレースでの代表資格を獲得していなかった。

 今年6月に国際自転車競技連合(UCI)が発表した五輪の出場リストにサブリコワの名前はなく、チェコでは大急ぎで同選手の出場権獲得を模索するため、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に訴えた。

 さらに外交ルートでも、ミロシュ・ゼマン(Milos Zeman)大統領や元体操選手で7個の五輪金メダルに輝くベラ・チャスラフスカ(Vera Caslavska)さんが国際オリンピック委員会(IOC)にはたらきかけているが、現時点でこれらの訴えは認められていない。

 チェコのプロスポーツ・マネジメント会社は同日、「サブリコワはリオに出発し、現地で個人タイムトライアルの練習を行うことに決めました。そこで同選手が競技に出場できるかどうか、CASの決断を待つことになります」とコメントし、サブリコワの代理人は「彼女が最後まで五輪出場の夢を追求していく決断をしてくれたことをうれしく思います」と語った。

 スピードスケートの代表選手として出場した2010年のバンクーバー冬季五輪と2014年のソチ冬季五輪で計3つの金メダルを獲得し、W杯の女子3000メートルと5000メートルだけでなく、世界オールラウンド選手権(World All-Round Speed Skating Championships)でも優勝経験を持つサブリコワは、自身のために尽力してくれる人々に敬意を表し、リオに向かうことを決心したという。

 2006年以降、スピードスケートのW杯で毎年勝利を挙げているサブリコワは、「たくさんの人たちが私のために多大な作業と努力をしてくださっているのを見て、五輪の夢を追求していくことができます。簡単なことではありませんでしたが、夏季五輪に出場することはとても大きな挑戦です。その一方で、出場が不透明な状況にあるため、すぐ帰国することになるかもしれず、とても怖いです」と語っている。

 UCIが定めた基準では、繰り上げランキングでトップ10に入れば国ごとに五輪出場の1枠を獲得できることになっており、昨年の世界選手権では個人タイムトライアルで12位に入っているサブリコワは、繰り上げランキングで9位となったため、チェコに1枠をもたらしていた。

 しかし、UCIではすでに「25人がロードレースにエントリーしている」としており、これらの選手に来月10日に始まるリオ五輪の個人タイムトライアルの出場資格が与えられている。(c)AFP