【7月21日 AFP】世界各地で人気が沸騰しているスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(Pokemon Go)」をめぐり、サウジアラビアの聖職者団体は、国民の間で利用についての指針を求める声が高まっていることを受けて、ポケモンのカードゲームを禁止した2001年のファトゥワ(宗教令)を再発令した。

「ポケモンGO」は、スマホの画面を見ながら街中に隠れているポケモンのキャラクターを探して遊ぶゲームで、世界中で一大センセーションを巻き起こしている。超保守的なイスラム教国であるサウジアラビアでは正式には配信されていないが、多くの人が違法にダウンロードし、拡張現実(AR)技術で画面に現れるキャラクターの捕獲に乗り出している。

 こうした中、サウジの聖職者団体「学術研究およびファトゥワに関する常設委員会」はウェブサイトで、「国民から多数の問い合わせを受けた」ため、15年前のファトゥワを復活させたと発表した。

 このファトゥワは、ポケモンのカードゲームにはギャンブル性があり、登場するキャラクターはチャールズ・ダーウィン(Charles Darwin)の進化論に基づくとみられると指摘している。進化論はイスラム教で認められていない。

 また、ポケモンのカードには「国際的なシオニズム」やイスラエル、キリスト教、フリーメーソン(Freemason)、日本の神道など、「逸脱した」宗教や組織の象徴が使用されているとも指摘している。

 ファトゥワは、ポケモンのゲームは多神教の要素を含むため反イスラム的だとしているが、「ポケモンGO」については特に言及していない。(c)AFP