【7月20日 AFP】インドネシア当局は、全国の警察官に対して勤務中にスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(Pokemon Go)」をプレーすることを禁じる通告を行った。近いうちに軍関係者にも同様の通告が出される。当局関係者が20日、明らかにした。また、軍や国防相は、ポケモンGOは安全保障上の脅威になる可能性があるとの懸念を示している。

 約2週間前に公開されて以来、世界的に大ヒットしているポケモンGOは、インドネシアでも熱狂的な人気を集めている。一方で、ゲームをめぐり、さまざまな犯罪や交通違反、苦情が各国で相次いでいる。

 インドネシアではポケモンGOはまだ正式に配信されていないが、多くの人々が違法にダウンロードし、バーチャルなキャラクターを捕獲しようと路上に繰り出している。

 しかし、あまりの人気ぶりに、安全保障問題の担当部局の幹部からは、ポケモンGOのハイテク機能がスパイ行為に利用され得るとの懸念の声が上がっている。

「スパイ行為はさまざまな形で行われる」と、強硬派として知られるリャミザルド・リャクドゥ(Ryamizard Ryacudu)国防相は述べ、「最初のうちは(ポケモンGOは)かわいらしく見えるかもしれないが、使えば使うほど…こういうのは良くない」と語った。

 AFPの取材に応じたインドネシア軍の報道官は、警備の厳重な施設などの保護を目的とし、軍は近日中にも軍関係者全員に対して、勤務中のポケモンGOを禁じる命令を出すことを明らかにした。命令には、ポケモンGO用の機器を通じてデータがインターネットで国外に送信される可能性についても注意を促すという。

 インドネシアでは今週、ポケモンGOをプレー中に誤ってジャワ(Java)島にある軍の基地に侵入したフランス人男性が身柄を拘束される出来事が起きたばかり。

 警察の報道官によると、全国の警察官に対しては、勤務中のポケモンGOを禁止する命令が19日に出されたという。(c)AFP