【7月20日 AFP】2014年のソチ冬季五輪などでロシアが組織的なドーピング違反を行っていたことが認められた問題で、国際オリンピック委員会 (IOC)は19日、ロシアのリオデジャネイロ五輪出場を禁止するかどうかについて、「選択肢を法的に」検討すると発表した。

 世界反ドーピング機関(WADA)が18日、ソチ五輪などの主要国際大会でロシアが国家ぐるみのドーピングを行っていたとする調査報告書を発表したことを受け、IOCの理事たちは緊急の電話会合を開催し、今後の対応を話し合った。

 その後に出された声明で、IOCは「ロシア全選手の五輪出場の集団的禁止と、個人的正義の権利との対立の部分で、選択肢を法的に探る」と発表し、報告書の精査とソチ五輪に出場したロシアの選手らの再調査を行う方針を明らかにした。

 ロシアはすでに陸上選手のリオ五輪出場が禁止されており、選手68人が異議を申し立てているスポーツ仲裁裁判所(CAS)の裁定は、21日に発表される見込みとなっている。IOCはその裁定を待ち、さらにWADAの規定と五輪憲章に照らして、最終的な判断を下すと話している。

 IOCはほかにも「ロシアスポーツ省の関係者、および報告書で記載されている人物の関与に対して、すでに制裁措置を取り始めている」と述べ、組織的なドーピングを主導したとされる露スポーツ省に対して暫定的な処分を下したことを明らかにした。

 カナダ人法学者のリチャード・マクラーレン(Richard McLaren)氏が中心となって行った今回の調査では、露スポーツ省の指示の下、連邦保安局(FSB)の協力も得ながら、ロシア選手の組織的なドーピングが行われていた実態が詳しく示されている。

 IOCはまた、各種冬季スポーツの国際団体に対し、世界選手権やW杯(World Cup)といった国際大会のロシア国内での開催をすべて見送り、「代替開催地を積極的に探す」よう求めた。

「2014年ソチ冬季五輪期間中における検体操作について、詳細に言及されていることを踏まえ、IOCはすべての冬季スポーツの国際団体に対し、ロシア国内での主要大会の準備を凍結するよう求める」

(c)AFP