【7月14日 AFP】ドイツの警察当局は13日、交流サイトのフェイスブック(Facebook)をはじめとするソーシャルメディア上で人種差別に基づいたヘイトスピーチ(憎悪表現)を投稿したユーザーの一斉摘発に乗り出した。

 ドイツ連邦刑事庁(BKA)によると、「言葉による過激主義」と関連犯罪の取り締まりで、14州にまたがって60人の容疑者宅に強制捜査が入った。逮捕者は出ていないが、パソコン機器やカメラ、スマートフォンなどが押収された。

 インターネット上のヘイトクライム(憎悪犯罪)を対象とした大規模な強制捜査はこれが初めて。ドイツでは移民・難民危機に伴ってネット上で差別を助長する書き込みが増加し、公共の場での議論に悪影響を及ぼしている。

 BKAのホルガー・ミュンヒ(Holger Muench)長官は、警察が「ネット上のヘイトや扇動に対し、明確な姿勢を示した」と説明した。

 一方、トマス・デメジエール(Thomas de Maiziere)内相は「いかなる形式であっても、また、いかなる背景事情があろうとも、暴力は許されない。これには言葉の暴力も含まれる」と述べ、「刑法はネット上にも適用される」と強調した。(c)AFP