【7月13日 AFP】指をしゃぶったり爪をかんだりする幼児は、成人してからアレルギーになりにくいとする研究論文が、このほど発表された。

 ニュージーランドの研究者らによるこの研究は、幼少期に微生物に触れることでアレルギーの発症リスク低減につながるとの説を裏付けるものだと、オタゴ大学(University of Otago)の研究者は結論づけている。

 米小児科専門誌「Journal of Pediatrics」に掲載の研究では、1037人の子どもを対象に、5歳、7歳、9歳、11歳の時点での「指しゃぶり」と「爪かみ」の癖を記録した。

 被験者にはその後、13歳と32歳の時点でアレルギーを調べる皮膚プリックテストを実施。13歳の時点で何らかのアレルギーに陽性反応を示したのは、指しゃぶりも爪かみもしなかった被験者では49%だった。一方で、どちらかの癖が一つあると記録されていた被験者では同38%、両方の癖があった子どもでは同31%とアレルギーの陽性反応はさらに少なかった。

 32歳の時点で行われたプリックテストでも、同様の傾向がみられた。親のアレルギー歴やペットの有無、母乳で育ったかどうかなどの要因は関係がなかったという。

 しかし、これらの癖がアレルギーと関係する疾病のリスク低減につながることを示す証拠はないとして研究者らは注意を促しており、「健康に良いということが明らかになっていないため、これらの癖を子どもたちに推奨することはしない」と述べている。(c)AFP