【7月11日 AFP】 米テキサス(Texas)州ダラス(Dallas)で起き警官5人が死亡した銃撃事件で、地元警察当局は10日、死亡した容疑者が大規模な爆弾攻撃を計画していたとの見解を示した。

 米陸軍予備役兵士でアフガニスタンに派遣された経験もあるマイカ・ジョンソン(Micah Johnson)容疑者(25)は、ヘイト集団に指定されている団体を含む黒人過激派組織を支持していたとみられている。

 ジョンソン容疑者は7日夜、ルイジアナ(Louisiana)州とミネソタ(Minnesota)州で相次いだ警察による黒人射殺事件を受けダラスで平和裏に行われていた抗議デモの最中に、強力なライフル銃で警官らを銃撃。大都市の中心部にある一角を数時間にわたり大混乱に陥れた。

 銃撃の標的となったのは白人警官で、容疑者は先週の黒人射殺事件が犯行の理由だと主張。警官に追い詰められた容疑者は、立てこもりの末に殺害された。ダラス近郊にある容疑者宅からは、爆弾製造の材料や、容疑者が記した戦闘マニュアルが見つかった。

 ダラス市警察のデービッド・ブラウン(David Brown)署長は米CNNテレビに対し、ジョンソン容疑者はかなり前から大規模な事件を起こすことを計画しており、先週の警官による黒人射殺事件が犯行のきっかけになったとの見解を明らかにした。

 同署長によると、捜査当局は「爆弾の材料と日誌から得た証拠から、容疑者は爆発物起爆の予行練習をしており、爆弾の材料はダラス市やテキサス州北部全体に破壊的影響を与えるほどの量だった」とみている。

■立てこもり現場にアルファベットの血文字

 また、ジョンソン容疑者は立てこもり中、交渉に当たる警察をからかうような発言を繰り返したという。「交渉はおよそ2時間続いた。彼はわれわれに対して嘘をついたり、駆け引きをしたり、笑いものにしたり、歌ったり、何人死んだかを聞いて、もっと殺したいと言ったりした」 (ブラウン署長)

 ジョンソン容疑者は、自分はれんがの壁の後ろに隠れているから警察の狙撃手は姿を捉えることができないとして、警察に対し案を練るよう挑発。こうした状況の中、ブラウン署長は容疑者のそばにロボットで爆弾を送り込み爆破して殺害する作戦を承認した。同署長は「同じ状況に置かれたら、もう一度やるだろう」と述べている。

 またジョンソン容疑者は警察との銃撃戦の際に負傷したとみられ、立てこもっていたコミュニティーカレッジの壁に自分の血で「rb」という文字を書き残していたという。ブラウン署長は、これが何を意味するのかは、今のところ分からないと述べている。(c)AFP