【7月10日 AFP】警察の暴力行為に抗議するデモは9日も全米各地で続けられ、抗議のうねりは収まる気配を見せていない。

 黒人に対する警察の暴力行為に反対する運動「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」に率いられたデモの参加者たちは、2日間で立て続けに起きた警官による黒人男性2人の射殺に抗議した。2人の死の瞬間を捉えた映像は拡散し、全米を震撼(しんかん)させた。

「Black Lives Matter」は数か月にわたり、警察の黒人に対する暴力行為に抗議するデモを全米で行っており、こうした暴力行為をエスカレートさせずに根絶することを求めている。

 ニューヨーク(New York)では9日、3夜連続で大勢が平和的にデモ行進を行い、今回の大規模なデモのきっかけとなった、ルイジアナ(Louisiana)州とミネソタ(Minnesota)州で起きた2件の事件で死亡したアルトン・スターリング(Alton Sterling)さんとフィランド・キャスティル(Philando Castile)さんの名前が書かれた横断幕が掲げられた。

 シアトル(Seattle)、インディアナポリス(Indianapolis)、フィラデルフィア(Philadelphia)などでも同日、デモが計画され、主催者は「怒りの週末」を呼び掛けた。

 アリゾナ(Arizona)州フェニックス(Phoenix)では8日、投石したデモの参加者たちに警察が催涙スプレーを使用する事態となった。ニューヨーク州ロチェスター(Rochester)では、座り込み抗議を行った74人が逮捕された。

 だがアトランタ(Atlanta)、ヒューストン(Houston)、ニューオーリンズ(New Orleans)、デトロイト(Detroit)、ボルティモア(Baltimore)など他の都市では平和裏にデモが行われた。(c)AFP