【7月10日 AFP】骨まで凍り付くような寒さの中、ソーラーパネルが光を反射している。誰もが夢見るような行き先ではないが、恐らくそれが狙いなのだろう。ペルーのアンデス(Andes)山脈に9日、新しい刑務所が開設された。

 この刑務所がある海抜4100メートルのパスコ(Pasco)県コチャマルカ(Cochamarca)は日中でも気温は10度程度にまでしか上がらず、夜になると氷点下14度まで冷え込む。

 新刑務所の収容能力は1224人。刑務所がある町の人口をわずかに下回る数字だが、雇用を創出するとして地元では歓迎されている。住民の多くは農業に従事している。寒い季節に家畜に餌をやるのは非常に大変な作業だ。

 ペルーの刑務所の収容能力は著しく不足している。先月の大統領選で当選したペドロ・パブロ・クチンスキ(Pedro Pablo Kuczynski)元首相は、4万人分に達している刑務所の収容能力不足の改善を公約に掲げていた。新刑務所の寒さは厳しいが、受刑者には収容能力不足の方が酷かもしれない。

 今月28日に任期が終わるオジャンタ・ウマラ・タッソ(Ollanta Humala Tasso)大統領は、新刑務所よりさらに高い海抜4500メートル以上に位置する極寒の地チャラパルカ(Challapalca)とヤナマヨ(Yanamayo)にある刑務所の閉鎖を検討するよう求めた国連(UN)機関の要請を拒否していた。(c)AFP