【7月9日 AFP】陸上男子短距離界の王者ウサイン・ボルト(Usain Bolt、ジャマイカ)が、リオデジャネイロ五輪の代表選考会を兼ねたジャマイカ選手権(Jamaican national championships 2016)で痛めた左太ももの故障を抱えながらも、11日に決定される同国代表チームのメンバーに選出される見込みとなった。地元紙が8日、報じた。

 ジャマイカ紙グリーナー(Gleaner)は匿名の情報として、ジャマイカ陸上競技連盟(JAAA)の選考委員会が男子100メートルと200メートルの代表4人の中にボルトを選んだことを受け、ジャマイカ五輪委員会(JOA)が同選手をメンバーリストに入れる可能性が濃厚であると伝えている。

 ブラジルで開催されるリオ五輪では、ジャマイカの陸上代表は各種目3人に限られるため、最終メンバーの決定はチームの上層部に委ねられることになる。

 前週行われた国内選手権の100メートル準決勝後に棄権を申し出たボルトは、ハムストリングの損傷状態はグレード1であると明かし、ツイッター(Twitter)では左太ももの裏を治療している写真を投稿していた。

 ジャマイカ代表チームのリスト入りは暫定的であるものの、JAAAの規則で医療免除を受けているボルトは、今月22日に英ロンドン(London)で開催されるダイヤモンドリーグ(IAAF Diamond League 2016)で競技可能な状態であることを示せば、100メートル、200メートル、および4×100メートルリレーで五輪三連覇を目指すことになる。

 選手は代表選考会への参加が義務付けられているが、体調不良や故障に見舞われた場合は、後日の大会で競技可能であることを証明する機会が与えられ、代表候補として考慮される。

 そのため代表選考会の100および200メートルで3位に入り、暫定的に代表メンバーとされている選手は、ボルトの状態により命運が決まることになる。

 報道によると、今週はじめにフランス入りしたボルトは、軽めの練習に臨みながら主治医であるハンス=ヴィルヘルム・ミュラー=ヴォールファート(Hans-Wilhelm Mueller-Wohlfahrt)氏の治療を受けているという。(c)AFP