【7月6日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)の女子シングルスでベスト4に入ったエレナ・ベスニナ(Elena Vesnina、ロシア)だが、センターコートで女王セレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)と対戦する準決勝の日にちを確認しなければならないほど、自身の快進撃に驚きを隠せずにいる。

 結婚式を控えるドミニカ・チブルコバ(Dominika Cibulkova、スロバキア)に準々決勝で勝利した29歳のベスニナは、「準決勝は何曜日ですか?木曜日であることを神に感謝します。3日連続の試合ではなかったのですね」と語った。

 今大会では自他ともに驚きを与えているベスニナは、四大大会(グランドスラム)通算42度目の出場で初の準決勝に進出した。3年前には女子シングルスの世界ランクでトップ30に入っていたベスニナだが、2015年のシーズン終盤には初めてトップ100から脱落した。ベスニナのシングルス世界ランクが下降したのは、これまで12個のタイトルを獲得しているダブルスに力を注ぐようになったことも関係している。

 しかし、ソチ(Sochi)出身のベスニナは今季、世界ランクトップ10に入るシモナ・ハレプ(Simona Halep、ルーマニア)から1勝、ベリンダ・ベンチッチ(Belinda Bencic、スイス)から2勝、計3勝を記録し、再びトップ50入りしている。そしてボルボ・カーズ・オープン(Volvo Car Open)では、予選からの出場で決勝に進出した。 

「グラス(芝)で良いプレーができることは分かっていました。今大会でのパフォーマンスにはとても満足しています」と話したベスニナは、「今年は厳しいスタートでしたが、それで心が折れずにいられたことをうれしく思います。どんなシングルスの選手にも、乗り越えなければならない困難があります。だけど、それによって成長できるし、選手を強くしてくれます」と語っている。 

 10年前の全仏オープン(French Open)で10代だったベスニナは、当時世界ランク1位のジュスティーヌ・エナン(Justine Henin)氏からトップ選手になると太鼓判を押されていた。自身やエナン氏が予想していたよりも長い時間がかかったものの、ベスニナは自らの力を疑ったことはなかったと話す。

「誰もが負けたとき、終わったと思ったとき、そこにたどり着けずにテレビでグランドスラムの準決勝や決勝でほかの選手がプレーしている様子を見たときには、このような時期を過ごすんです」

「30歳が間近に迫っています。皆さんの多くはキャリアの終わりだと考えるでしょう。でもセレーナやヴィーナス(・ウィリアムス〈Venus Williams、米国〉)を見てください。それはあなたがどう感じ、どのように続けていきたいか次第なのです」

(c)AFP/Dave JAMES