【7月6日 AFP】国連(UN)のテロ対策委員長を務めるジャン・ポール・ラボルド(Jean-Paul Laborde)事務次長補は5日、シリアとイラクにいる「外国人のテロ戦闘員」が3万人近くに上ることを明らかにし、出身国での攻撃のリスクが高まっていると警告した。

 スイスのジュネーブ(Geneva)で開いた記者会見で明らかにした。約3万人という数は「かなり多い」と危機感を示した。

 ラボルド氏はまた、「イラクでダーイシュ( Daesh 、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」のアラビア語名の略称)が支配する地域が縮小してきていることから、これらのテロ戦闘員は欧州のみならずチュニジアやモロッコなどそれぞれの出身国に帰還している」と指摘。出身国でテロ攻撃のリスクが高まっていると警鐘を鳴らした。

 その上で「(帰国する)外国人テロ戦闘員の大多数について危険かそうではないかを選別するシステム」を導入するよう各国に要請。また司法制度による対応の遅れを相殺すべく、米グーグル(Google)や米マイクロソフト(Microsoft)、米ツイッター(Twitter)といったインターネット大手との協力を強化して、ネット上でテロ予備軍を監視していくことも呼びかけた。(c)AFP