【7月2日 AFP】米情報機関を統括する国家情報長官(DNI)は1日、報告書を発表し、2009〜2015年に実施した473回の空爆による推定死亡者数を明らかにした。米国が大規模な軍事行動を行っているイラク、シリア、アフガニスタンの紛争地帯以外の場所で実施した空爆だという。

 DNIによれば、これらの空爆による民間人の死者数は64〜116人で、戦闘員の死者数は最大2581人。攻撃は無人機によるものが多いが、有人の戦闘機やミサイルも使用したという。

 米軍は、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」などの武装勢力を狙って主にイラクやシリアで実施した空爆については日常的に情報を公開しているが、オバマ政権がリビア、ソマリア、パキスタンなどでの空爆による死者を発表したのは今回が初。

 人権団体やメディアは以前から、バラク・オバマ(Barack Obama)政権の軍事行動について詳細な情報公開を求めていた。これらの空爆の適法性を疑問視する声も多く上がっている。

 米軍の空爆、特に無人機による空爆によって、オバマ政権の主張よりはるかに多くの民間人が死亡しているとの批判も根強い。そうした見方が今回の発表で変わることはないとみられる。(c)AFP/Thomas WATKINS