【6月30日 AFP】モンゴルで29日、国民大会議(国会に相当)総選挙の投開票が行われ、30日午前の暫定開票結果によると最大野党・モンゴル人民党(MPP)の地滑り的勝利が確実となった。経済停滞を招いた与党・民主党(DP)の経済政策に有権者がノーを突きつけた形だ。

 選挙管理委員会が電子集計を基に発表した暫定結果によると、人民党は全76選挙区のうち少なくとも63選挙区を制した。

 人民党のミエゴムビーン・エンフボルド(Miyegombiin Enkhbold)は記者会見で「国民が大きな信任を与えてくれた。非常に大きな責任が伴うと理解している」と述べ、支持者に謝意を表した。

 今回の選挙は実質的に民主党と、社会主義時代の独裁政党を前身とし党に忠実な年配の支持者層を持つモンゴル人民党のどちらを選ぶかの選択だった。いずれも具体的な政策には乏しく多くの有権者は大きな違いを見いだしていなかったが、失政や、最大の貿易相手国である中国への輸出減少を背景とした景気低迷でうっ積した国民の不満が爆発した格好だ。

 暫定結果の発表を受けて、民主党の党首は国民の意志を尊重するとの声明を発表。2008年の総選挙時のように、不正投票の疑いをめぐって暴動が起きるような事態にはならないと懸念の鎮静化に努めた。

 最終結果は手作業による集計が終わってから発表される。(c)AFP/Ben Dooley