【6月28日 AFP】レズビアン、ゲイ、バイセクシュアルなどの成人は、心理的苦痛を経験したり、不健全な行動に走ったりする可能性が高いとする研究結果が27日、発表された。性的少数者が差別の対象となることが原因と考えられるという。

 米医学誌「JAMAインターナル・メディシン(JAMA Internal Medicine)」に発表された今回の研究では、米疾病対策センター(CDC)が毎年実施している国民健康調査(NHIS)の2013年と2014年の結果を分析した。この年のNHISには、性的指向に関する質問が初めて盛り込まれた。

「今回の研究結果は、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル(LGB)の成人が、特に精神衛生と物質使用で、著しい健康格差を経験していることを示している。LGBの成人が個人的、構造的な差別の両方を受けた結果として経験するマイノリティーストレスがその原因となっている可能性が高い」と、論文は述べている。

 中度または重度の心理的苦痛があると回答した人の割合は、異性愛者男性の16.9%に対し、バイセクシュアル男性が40.1%、ゲイ男性が25.9%に上ることが、研究チームの分析で分かった。

 大量飲酒者の割合は、バイセクシュアル男性の10.9%に対し、異性愛者男性は5.7%、ゲイ男性は5.1%だった。

 大量喫煙者の割合についても、バイセクシュアル男性が9.3%と最も高く、ゲイ男性は6.2%、異性愛者男性は6%だった。

 女性の場合、中度または重度の心理的苦痛があると回答した人の割合は、異性愛者女性が21.9%だったのに対し、バイセクシュアル女性が46.4%、レズビアン女性が28.4%だった。

 アルコール大量消費者の割合も、バイセクシュアル女性が11.7%と最も高く、レズビアン女性は8.9%、異性愛者は4.8%だった。

 大量喫煙者の割合は、レズビアン女性が5.2%と最高で、次いでバイセクシュアル女性が4.2%、異性愛者は3.4%だった。

 米バンダービルト大学(Vanderbilt University)のギルバート・ゴンザレス(Gilbert Gonzales)氏が主導した今回の研究によると、バイセクシュアルの成人男女に関して否定的な分析結果が得られたことは、異性愛者からの「マージナライゼーション(周辺化)」と、ゲイやレズビアンからの「スティグマ(差別的烙印)」の両方を受けることに関連する可能性があるという。

 研究では、レズビアン525人、ゲイ624人、バイセクシュアル515人の成人男女による回答と、異性愛者の成人男女6万7150人の回答との比較分析を行った。調査参加者の平均年齢は約47歳だった。(c)AFP